手を抜くことがポジティブに変わった時

大変お久しぶりの配信。
みなさまお元気であろうか?


わたしは現在、Xでドイツ語発信をしている。
こちらでは、そのドイツやドイツ語関係とは
別に自身が生活するなかで感じた
気付きや素直な思いをこちらのブログでは
綴りたい。

目次

自己満足が自身を苦しめる

この言葉を届けてくれたのは
最近YouTubeで見た
広島県でパン屋を営む
「ブーランジェリー・ドリアン」の
オーナー田村陽至氏だ。

フランスの農村地方で、古くから愛されてきた
伝統的な的な田舎パン、カンパーニュ。
このカンパーニュの歴史から文化からなにから
全てを愛しているという田村さん。

そんな田村さんの店のラインナップは
たったの5商品のみ。

この非常にシンプルな商品に
たどり着いたのには
ここまでの壮絶な経験があったという。

ドリアンの公式ホームページから引用
https://derien.jp/

焼きたてパン文化の日本の裏側

田村さんは、
現在のお店ドリアンを開く以前は
実家のパン屋を継いでいた。

幼少期の田村さんは、
「パン屋を継ぎくなかったし、
パンなんてなくなればいいし、
どうやったら無くなるのか」と思っていた。

私がいまも住むドイツもそうだが、
日本のような総菜パンや、菓子パンはごく一部。
プレッツェルや小麦とライ麦を混ぜた
ミックスブロットなど、シンプルな商品が
圧倒的に多い。

日本の菓子パン文化は刹那的なだという。
タコ焼きをいれたらたこ焼きパン。
お好み焼き入れたらお好みパン。

1週間に1個新商品を出すという
競走が行きついて、
焼きたてパン文化が誕生した。

そして、焼きたてのパンが店に並ぶと
残っているパンはすべてひく。

ヒドイときには、
25kgの粉が入った袋を3袋いっぱい
大量廃棄することもあったという。

パンの種類が多ければ多いほど
廃棄の数も増え
自分の心を麻痺させて
廃棄していたと語る。

自分たちがつくったものを
自分たちの手で廃棄するとは
酷以外のなにものでない。

たしかに、ドイツには焼きたてパン文化はない。
パンは冷めていて当たり前。

新たな店を開くも…

不景気に突入し、絶賛実家のお店は
赤字続きに加え、
お家の借金もあったという。
親からそういう話があり、
ここで田村さんが実家を継ぐことに。

それから田村さんなりに再建プランを
構築し、お店を切り盛りするも
なかなかうまくいかない。

従業員に給料が払えないときには、
200円で売っていたピザパンがなんと
実は原価が200円を超えていた
ということがあった。

田村さん含め従業員の給料は月5万。

終いには多忙のあまり、周りに怒鳴って
しまうことすらあったという。

当時のことを振り返ると

「忙しいときは自分のために仕事していた」

パン屋でいうと
商品ごとに生地の粉の割合を変えたり、
あとひとこねしたら
もっとおいしくなったりと。

ただ、そういう工程を踏まなくても
いまでも十分おいしい。
お客さんは満足してくれているのに。

「もっとこうしたい」があまりにも強いと
時間は奪われ、心に余裕もなくなり、
終いには周りに強くあたるようになり
自身は限界を迎える。

これでいいんだと思える心の余裕

それから田村さんは一度お店を畳み
ヨーロッパで「手抜き」を学んだ。

もちろんこれまで実家のパン屋で
やっていたような働き方とは
まるで真逆だったという。

ウィーンで受けた衝撃

オーストリアのウィーンのパン屋で
研修を受けさせてもらったときの話だ。

通常日本のパン作りの基本といえば、

こねて⇒1~2時間置く
⇒膨れたところで切って丸める
⇒また1~2時間置く
⇒そしてさらに膨れたところを焼く。

一方ウィーンのパン屋では
こねて⇒丸める⇒冷蔵庫に入れて終わり!

日本のように発酵させるのはゼロだという。

そして次の日に焼くという。
本来日本では、1日で全工程をこなすとか。

発酵ゼロ、シンプルな工程に非常に
衝撃を受けたという。
それはそうだ。
いままで自分がこれがパン作りだと
教えてこられたものとは
まるでひっくり返ってしまいそうなくらい
違うのだから。

だがやっぱり冷蔵庫を使わなければ
ちょっと食感がいいという。
と同時に、冷蔵庫を使うことで
これまでのパン作りとは
比較にならないほど楽になることに
それから日本に帰国して気づいたという。

手を抜くことで見えた世界

それから田村さんは日本に帰り
研修で教えてもらったことを実践した。

商品はたったの2種類ほどにしたところ
倍の値段の材料である
日本で買えるベスト1のものを使っても
しっかり利益はでる。

そしてウィーンで学んだ冷蔵庫も使った。

そこで気づいた「楽」だということに。
そして労働時間も実家のパン屋さん時代は
16時間働いていたところ、
半分の8時間になったという。

そして時間ができると、心の余裕もでてくる。
余裕がでてくると、お店に好循環が
もたらされたり色々なアイデアが生まれたり、
たくさんの人が寄ってきたり。

忙しいときこそ手を抜くしかない

先ほども上記で記載したように
田村さんは「忙しいときは自分のために
仕事をしていた」と語っていた。

じゃあ忙しかったらどうするか。

そう、手を抜くしかないのだ。
手を抜くことについて
田村さんはこうも語っていた。

「手を抜くとは、自己満足の作業を止めて
三方よしの利益を生むこと」

三方よしとは…

「売り手よし、買い手よし、世間よし」の
3つの観点で商売の良し悪しを判断する、
近江商人由来の経営哲学。

「そして今一番大切なものに焦点をあてて、
他は手を抜くしかない」

この言葉を聴いたとき
手を抜くことという言葉の
マイナスイメージがプラスイメージに変わった。

「自分がこれでいいんだと思える手の抜き方が
分かることで、労働時間は減り、自身も

生きやすくなる」

手を抜くことは決して悪いことではないんだよと
田村さんが優しく語りかけてくれているようだ。

田村さんの考えが少しづつ日本のなかへ
浸透していき
元気なひとが増えることを願うばかり。

最後まで読んでくれてありがとう!

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